ずっと雛人形を飾り続けると、女の子の結婚が遠のくと言われています。
実際、娘の結婚を望まないために敢えて雛人形をしまわないと公言する人もいます。
子供の未来に影響するかもしれないと思うと、雛人形の正しいしまい方が気になりますね。いつ、どのように雛人形をしまえばいいのか、ルールは存在するのでしょうか?
この記事では、雛人形をしまう適切な時期や方法について解説します。
雛人形(お雛様)はいつ飾り出すのが良いの?
ひな祭りとして知られる3月3日には、子どもの健康と成長を願って、家族や友人を招き合ってお祝いをします。
この日に合わせて、雛人形を飾る習慣がありますが、飾り始める最適な時期については一般的な決まりは特にありません。
多くの場合、節分が終わった翌日、つまり立春から2月の中旬にかけて雛人形を飾ることが推奨されています。
節分前に飾ること自体に問題はないものの、「一夜飾り」は避けた方がよいと古くから言われています。
これは、お祭りの前日に慌てて飾る行為が縁起が悪いとされているためです。
ひな祭りが終わるとすぐに雛人形をしまうことが一般的であるため、お子様の幸せを願う気持ちを込めて、早めに飾って節句の雰囲気を楽しむことが望ましいです。
雛人形(お雛様)いつ片付けるのが良いか?
お節句の後は、ひな人形を早めにしまうことが推奨されています。
ひな人形を長く飾っておくことは避けるべきで、特定の日に限定されず、節句が終わり次第、好天を選んで片付けることが望ましいです。
ひな人形を整理する前に、外に出して湿気を飛ばし、羽根つきのハタキや柔らかなブラシで埃を払うことが一般的な手順です。
「ひな祭りの後にすぐにひな人形をしまわないと結婚が遅れる」という迷信があるものの、これは一種の風習に過ぎず、お節句後にひな人形を出しっぱなしにすることのなさけなさを戒める意味があると言われています。
かつては娘を嫁に出すことを「片付ける」と表現しており、その名残から、ひな人形を片付けないことが娘の未婚を連想させる風習が生まれたとされています。
この習慣には、年中行事を適切に行い、迅速に片付けることが良い嫁への道であるという意味も込められているようです。
また、桃の節句には子どもの穢れをひな人形に移して除く意味もあり、ひな人形をしまう行為は穢れを清める行事としての側面も持ち合わせています。
そのため、ひな人形を長期間片付けずに置いておくと、移した穢れが元に戻ると考える人もいます。
雛人形をかたずけるのが遅いとお嫁に行けなくなるの
3月3日が過ぎた後に急いで片付ける必要性を感じる人も多いですが、実際には翌日、3月4日にすぐに整理する義務は存在しません。
3月3日の夜に急いで片付ける必要があると考える人もいますが、そのように急ぐ必要は全くありません。
これは一般的な迷信に過ぎず、過度に心配することはないのです。
季節に応じた装飾を長引かせてしまうことに関して言われる「早めに片付けるべき」というのは、単なる風習の一つです。
例えば「夜に口笛を吹くと蛇が現れる」という迷信と同様のものです。
しかしながら、この風習が全くの根拠のないものであるわけではありません。
多くの家族から祝福され、大切にされたひな人形を軽んじて放置する行為は好ましくないとされています。
この教えは、かつての時代において娘を嫁ぐことが親の責任であり、願いでもあったことから来ています。
その時代に「結婚」が「自立」を意味していたことを考えると、この考えは現代にも適用可能な側面があります。
雛人形を4月3日まで飾っても大丈夫です
2024年における古い暦では、3月3日に行われるひな祭りが実際には4月11日に当たります。
ただし、実際には4月3日をひな祭りの新たな節目として捉えるのも一つの方法です。
ある地域では、古い暦に基づいて節句を祝う習慣があり、このため雛人形の飾りつけや片付けも一月遅れになります。
新暦での立春である2月4日頃から雛人形を飾り始め、古い暦に基づくひな祭りが行われる4月3日まで楽しんだ後、4月4日以降に片付けるのがおすすめです。
これにより、購入した雛人形を長期間飾って楽しむことが可能です。
特に、今年の古い暦によるひな祭りが4月11日であることを踏まえれば、さらに長く飾って楽しむことができます。
新旧の暦に関する考え方は、その地域や家庭の伝統に応じて柔軟に対応するのが最善です。
特に定めがない場合は、新旧の暦を組み合わせた祝い方を検討してみるのも良いでしょう。
雛人形を遅れて出しても片付けけが遅れても大丈夫
正式な規則に囚われずともよい、雛人形は子供の誕生を祝う家族からのプレゼントとしての意味合いが深いです。
プレゼントをどう扱うかは、感情の扱い方にも関わってきます。
もし数日間手を付けられずにいたとしても、お雛様に対して感謝と謝罪の心を持って丁寧にしまうことができれば、無用な罪悪感に囚われることもなく、不吉な迷信に惑わされることもないでしょう。
雛人形を片付ける時は、日常では接することの少ない伝統的な工芸品や文化に触れ合える特別な機会となります。
職人が手掛けた特別な素材感や風合いを直接感じつつ、細部にわたる繊細な作りをじっくりと観察する良い機会です。
子供が物の扱いやしまうことを学ぶ年齢になれば、触れ方や片付け方を教え込みながら、家族みんなで清掃を楽しむことも、子供にとってはかけがえのない記憶となるでしょう。
一度にすべてを片付ける必要はありません。
例えば、今日は屏風を、明日は人形をと、数日かけて少しずつ片付けるのも楽しみの一つと言えます。
雛人形の片づけ方
雛人形の収納時に最も注意すべき点は湿度の管理です。
湿度が高い環境は、人形の顔や衣装にシミや汚れを引き起こす主な原因となります。
収納する際、湿気を含んだまま箱に入れてしまうと、時間が経つにつれてシミが発生する恐れがあります。
そのため、収納は遅れがちになるよりも、湿気の少ない晴れた日を選んで行うべきです。
湿度の高い日や雨の日には収納を避け、延期することが推奨されます。このように対処することで、人形を長く楽しむことができます。
収納の際には以下の点に注意してください。
まず、作業を始める前には洗剤で手を洗い、しっかりと乾燥させます。
箱を閉じる前には、内部の空気を新鮮なものと入れ替えてください。人形やその他の部品に付着したホコリは毛ばたきで優しく取り除きます。
木製部品や屏風、小道具等は、ホコリを取り除くと同時に、指紋がついている場合は柔らかい布で軽く拭き取ります。
人形の顔には直接手を触れないようにし、顔や小さな道具を包む紙が古くなった場合は、柔らかいティッシュペーパーで代用できます。
衣装は型崩れを避けるため、袖を直接持たずに、手のひらで支えるようにして取り扱ってください。
雛人形を飾る場所はどこが良い?
雛人形を飾る際は、家族がよく集まる目立つスポットを選ぶことが一般的です。
迷った場合は、リビングエリアを選択することが推奨されます。
このエリアは他の部屋に比べて広々としており、雛人形を置くのに十分なスペースがあります。
適切な場所を選んだ後は、人形が最も美しく見える位置を探しましょう。
大きめの段飾りや箱を飾り台とするタイプは、床に直置きしたり、低めの台の上に置いたりするのが適しています。
小さめの親王飾りなどは、少し高めの棚やキャビネットの上に置くのが良いでしょう。
テレビ台の上も良い選択肢ですが、ホコリがつきやすい点を念頭に置いてください。
運気を高めたい場合は、風水の原則に従って飾る場所を選ぶと良いでしょう。
風水では、運気を良くするために気の流れを整えることが重要とされています。
特に、「東南」の方角は女の子の運気を向上させるとされ、木のエネルギーを取り入れて成長や良縁を促すと言われています。
リビングの東南に飾ることで、幸運を引き寄せやすくなります。
レイアウト上東南が難しい場合は、南や東向きが次善の選択です。
しかし、玄関に飾るのは避けた方が良いとされています。
玄関は外からの運気を吸収してしまうため、不向きです。
雛祭りは子どもの健康と成長を願う大切な行事です。
家族が集まりやすい場所、特に風水で良いとされる「東南」の方向に飾ることで、より幸運を招くことができるでしょう。
リビングでの展示を希望しつつスペースに困っている場合は、小さくても魅力的な雛人形を選ぶことをおすすめします。
様々なサイズやデザインがあり、ご希望に合ったものが見つかるはずです。
雛人形(お雛様)いつ片付けるまとめ
ひな人形はただの飾りではなく、贈ってくれた人への敬意や愛情を表す象徴です。
この伝統的な人形を丁寧に取り扱うことは、互いに対する尊敬と思いやりの心を育む大切な行為です。
ひな人形を飾ったり片付けたりする行為自体を楽しむことで、古くから伝わるこの美しい習慣を次世代に伝えていくことができます。
何よりも重要なのは、この行事を通して子どもたちと共に楽しむ経験を積むことです。
ひな祭りの本質を理解し、家族としての絆を深めることができる素晴らしい機会となります。
文化的な伝統にとらわれず、それを楽しみながら学ぶことで、最も価値のある贈り物となる家族の記憶を作り上げましょう。